博士と助手

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長い階段を降りた先に、広大な空間があった。 本やメモ、器具などが散乱している中、部屋の中央には異様にでかい機械が異常な存在感を醸し出していた。 「……さすがに大きいですね」 「ああ、本体だからな」 「でも、大きすぎて不便じゃないですか?」 助手が当然の疑問を投げる。過去にこれだけ大きな物が現れたら事件になるからだ。 「だから本体だと言ったろう。行きはこいつを使って帰りはこっちの小さい方を使ってもらう」 博士が机に置かれていた携帯電話の形をしている機械を持った。 「携帯電話…ですか」 「ああ。過去にあってもおかしくない物をテーマにしてみた」 携帯電話がある時代は限られるのでは、と助手は思ったが口には出さなかった。
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