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彼のお目当ての女性は
【SACHI】というハンドルネームを使用していた。
達夫にはガールフレンドが居るのだが
そこは若い男性
浮気は男のサガ
言い訳はいくらでもあるのだが
ただ単純に
別の女性とも肉体関係を持ちたく
SACHIを口説き落とそうと
１ヶ月程前からこまめにメールをしていたのだ。
しかしこれまでは
いくら達夫がモーションをかけても
一向に彼女から
会ってみたい…
などという素振りは感じられなかった。
達夫も諦めかけていた…そんな時に
今朝
彼女から
『一度会って、お食事でもしませんか？』
というメールが届いていたのだ。
テレビは相変わらず
ニュースを読み続けている…
誰が自殺しただの
誰が殺されただの
誰と誰が結婚しただの
そんなありふれたニュースなど
今の彼の耳には入りっこない。
彼は仕事のスケジュールを確認し
一週間後に彼女と会う約束を取り決めた。
彼は満面の笑みを浮かべていた。
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