私はピアノ

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翔はベットでスーツのままぐったりしていた 私はすぐに服を脱がせてパジャマを着せた 熱は39度 冷却シートより氷枕だろうと用意をした 薬を飲ませてしばらく様子を見た 『ごめん…明菜』 『私がいるからもう大丈夫よ。朝までついてるから』 翔は少し安心した顔して眠りについた 深夜、薬の効果がでてきたのか、身体から汗が吹き出してきた 私は替えの下着とパジャマを用意して、翔の汗を拭き取った 熱は38度に下がり、私はホッとする そのままうたた寝してしまったのか、翔の声で目が覚めた 『どうしたの?翔』 『熱下がったよ。冷たいお水飲みたい』 『今日は病院行きなさいよ。できたら仕事も一日休みなさい。店の人やお客様に移したら大変』 『そうするよ…ありがとう』 『どういたしまして。子供の頃もよくこうやって看病してあげたわよね』 『おれ病気ばっかしてたもやしっこだったもんな』 『でも中学の時バスケ始めて丈夫になったじゃない』 『明菜はそのころ高校生で、T大目指して勉強ばかりだった』 『そうね、でもホントはね、芸大か音大行きたかったの』 『なんでT大にしたの?』 『それは女の事情よ』と私は笑ってごまかした
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