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竜也さんのところにあった私の荷物は、教授の家に全て運ばれた
私は時々教授の家を掃除したり、庭の手入れをしに帰る
教授の趣味であるガーデニングやリフォーム…もうできなくなるんだろうか?そう思うと涙が零れそうになる
11月に入るころ、教授は起き上がって一人でご飯を食べれるようになった
『病院食って味薄いのね』
私はつまみぐいして文句を言った
『しかたないさ。いいダイエットになるよ』
私はいつもマスターか翔の差し入れを食べていた
『歩けないってのはめんどうだな。講義もどうやってするか今から考えなきゃ』
『何いってるの。そんなのまだまだ先の話しよ』
『明菜、今度家帰ったらもってきて欲しい本が何冊かあるんだ』
『わかった。でも今年いっぱいは大人しくしててね。ホントにお願いよ』
『うん、明菜はいつ仕事復帰するんだ?』
『私?ああ…いつしようかな』
『…』教授は私を睨んだ
『ごめんなさい…ホントは会社辞めました』
『…やっぱりな。なんで辞めたりしたんだ』
『仕事集中できないと思って。騙しててごめんなさい』
『しかたないな…辞めたんだから。マスター達しってるのか?』
『言ってないけど多分知ってると思う』
しょんぼりする私を教授は優しく抱き寄せた
『僕のために無理はするなよ』と囁いた
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