30歳の誕生日

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会社に着く頃雨は土砂降りになっていた くせっ毛の後輩、藍子が湿気を嘆いている 今日から出張の課長は、窓ばかり気にしていた 『明菜さん、今から会議みたいですよ』と隣のデスクの由美子が言ってきた 『あら、今日会議の予定入ってた?』 『なんか急に入ったみたいなんです。さっき部長から連絡あって、すぐに会議室きてほしいって…』 『そうなんだ。じゃあすぐにいってくるわ。あとお願いね』 私はこれでも営業部のリーダーである。30歳にしてはまあまあの地位じゃないだろうか? エレベーターに乗り会議室に向かう 少し小走りでたどり着いた部屋にはもう人は何人か座っていた うちの会社はレコード会社。有名な人も大勢いる。反面売れなくて辞める人も大勢いる 私は元々編集のほうにいた。でも営業のほうが向いてると、ある人が言い出し営業部にきたのだ それが丸山秀樹、マスターである
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