30歳の誕生日

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夜にはすっかり雨はあがって、三日月が浮かび上がっていた マスターと洋風居酒屋に行った 『今日は飲むか』 『私はまた飲むかよ』と笑った 『いいじゃないか。30女の根性見せてくれ』 『二人になると昔の課長に戻っちゃうんだから…そうそう、もうすぐうちの会社に怖いプロデューサーさんがくるらしいの』 『なんて名前?』 『なんだっけ…そうだ安達さんって人。マスター知ってる?』 『安達竜也だろ?』 『やっぱり知ってるんだ。その人よ』 『もうプロデューサーになってんだな。怖い奴じゃないよ、優しくて一生懸命な奴さ』 『少し安心した。編集の松下さんったら脅かすんだもの』 『松下ちゃん元気?まだ結婚してないの?』 『男には興味無しの仕事一筋。美人なのにね』 こうして私達はビールからワインに突入した ボトルを二本空けた後私はトイレに席を立った 足元が少しよろついた すれ違った人に思いきりぶつかってしまった! 『すいません!大丈夫ですか?』 『女のくせに酔っ払いか!気をつけろ』 『ごめんなさい』と私はぺこりと頭を下げた そしてそのまま倒れてしまった
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