第三章 遺剣と協会と

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私の人型はどうもそんな容姿らしい。自分の人間としての顔を見るのは数える程しかないため私自身ではわからない。   ……どうしようか。彼は無益な殺人を好まないし私も調子を落としたくない。   というよりこの群衆の場では何をしても注目を集めてしまう。   「……暇ではないのでお断りします」   「おい待てよ。アニキの暇ってのは誘い文句に決まってんだろ?」   もう一人の男の手が私の肩に触れる。ナンパというのはしつこさに定評がある。言葉で諦めさせるのが無理なら暴力で。そう判断したときだった。   「はいはい、その辺にしといてくれる?ウチの連れなんでね」   素知らぬふりをして通り過ぎる人間達の中、武器を見に行ったはずの彼がどうしてかそこにいた。   「何だテメ……」   男達は明らかに圧倒されている。彼は背が高いし肩幅もそれなりにある。加えて背中にいつもはないあの剣が担がれている。   「チッ、こぶ付きかよ。行くぞ、ダグ」   二人は不満な顔をしながらもずかずかと私から離れていく。   結局は暴力に訴えずに事なきを得られた。   「ありがと。助かった」   「本当に助かったのはあの二人かもしんないけどね」   確かに。人間に対する力加減の調整は難しい。  
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