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こんな残忍なやり方を見て町の人間達がどんな反応を見せるか、火を見るより明らかだろう。
全員が人に非ずとも言える畏怖の力を目にし、恐怖を感じている。
これだ。私は人間を嫌う最も大きな理由。
あいつらは助けてもらったにも関わらず、感謝の一言もない。
前面に押し出すのはいつもあの感情。
「……仕方ないか。クロ、町を出よう」
出口へと進む彼の肩に追いつき、私は後ろを睨みつけた。
彼がいなければまとめて喰い殺しているところだ。
「クロ、いいんだよ。俺は気にしていない」
「…………」
私はどちらかと言えば自分の身さえ守れたらいいという考えだ。だから町に魔生物が来ようと捕食以外に興味はない。
「喰わなくてよかった?」
「あの程度の中級魔生物だとお腹壊すから。それに人間が見ていたし」
私自身も生あるものとして分類するのなら多分魔生物に区別される。正確には私を造り出した研究者は魔生人(マネア)と呼んでいた。
普通、魔生物は人間を喰う事で強い力を得る。人の肉が魔生物の肉体を活性化させ、文字通り血となり肉となる。
しかし私は少々特殊なようで、魔生物を喰うことによって同様の効果を得られている。
「……早く行け」
「はいはい。そんな怖がらなくてもね……」
出口で待ちうけていた駐在の人間が見るからに震えて強張っている。
所詮私も彼も外れ者(アウトサイダー)。人間とは違う存在か。
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