私は私であり私ではなく私の為にげんざい私ではなくなったのでご

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「私の名前はルイス・マーキュロット・エアリス。後ろから呼んでみても結構ですよ。特に意味はありませんが。まぁ私が関知していないだけですから、もしかしたら何か新しい発見があるかもしれませんね。どうでもいい事ですけれど、それで私の顔に何かついてらっしゃるのですか?ただ白人と日本人の顔の皮膚と骨と舌と瞳と鼻と耳を合わせ持っているだけですが。不思議?不思議なのですか?なら不思議という事なのです。深い詮索をされても私と貴方の関係は私が雄達から貴方に助けられたというだけのものですから、それ相応分の対価とでも言いますか、それを言ったまでです。そうです。紅茶を飲みましょう。それで私と貴方の仲は今以上に深くなる事に違いありません。嘘だと思うなら、今私はここで貴方にこれ以上ない程の御礼を申し上げ立ち去ります。貴方の記憶にはさほど残らない事でしょう。私が残らないのですから。さぁ、私の手をお取りになって。私には常識がありませんから。欲しいとも思いませんから。ただ、運命だけは大事にしたいと思う今日この頃なのですよ?わかりませんか?ならきっとわかりあえるはずです。きっと、きっと、きっと」 これがゴシックロリータなファッションをした彼女が僕に最初に放った言葉の羅列。 これはきっと妄想。 「どうやら僕は……とてつもない当たりクジを引いたようだ」 それはあまりにも見覚えのある女の身体の一部達の集合。名をルイス。 僕の妄想。 そうならばきっと、 これは運命と呼ぶに相応しい。 本当の。  
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