私は私であり私ではなく私の為にげんざい私ではなくなったのでご

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「…………」 僕の存在はいかに不思議なものなのか。 二度目の人生。 「お待たせしました。アイスレモンティーでございます」 「……ああ。ありがとう」 僕にも分からない。 ただ言える事は、今僕は高校二年生であり、長い坂を昇った所にある、この御屋敷に住む吾妻家の三人兄妹の長男である吾妻 政(アガツマ マツリ)ということである。 もう一度言う、不思議だった。 前世とでも言うのだろうか、朧げではない、ハッキリと記憶が残っていることが。 今に至る前、真由一馬(サナヨシ カズマ)という僕がいたことを、僕は何も忘れていない。 死んだ時の記憶も鮮明に。  
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