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オレも1つ年を重ねた。
それはいいとして…
今、はるは都心部から少し離れた場所で小さな美容室を営んでいる。
店は小さいが、はるが1人で切り盛りするだけあって忙しそうだ。
最初は、完全予約制にして客が来るのかと心配していたが、それも無用だった。
むしろ、その方が、はるも体を壊さず、ちょうどいいと思う。
にしても、街の賑わいはなかなか、オレにはまばゆい。
『あ、白玉さん』
声をかけてきたのは、はるだった。
「おう、はる、元気そうだな」
街の中で偶然出会ったはるは、ニコニコと笑顔を見せている。
『まあね』
「今日は仕事、休みか?」
『正月早々、お店開くつもりは無いよ。』
「あ、そうだよな…」
『そうだ、白玉さん、お昼ってどうするの?』
「ああ、まだ決めてないな」
『だったら、ウチにおいでよ。私1人だとお雑煮余っちゃうからさ。』
「そうだな、お言葉に甘えさせてもらおうかな」
そのまま、オレたちははるの家に向かった。
はるの家は、小さな美容院の隣に建てた住み込みが暮らすような小さな家だ。
1人で暮らすには十分だが。
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