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「いや、そういうことじゃなくてさあ」
「青年実業家として、海外の企業と提携して利益をあげ、その 一部で全国の病院の小児科を支援してるって聞いたが」
「さすがだね、記者さん。仕事柄…かな?」
『そんなことしてるんだ!』
「実は、それとは別に始めたことがあるんだ」
「そうなのか」
『何を始めたの?』
「児童養護施設の支援」
『へぇ…』
はるの顔が少々曇った。
「[もみじの里]って知ってるかい?」
『………』
「なんだよ、はる…」
『知ってるもなにも…私が18歳で高校を卒業するまでいた施設じゃない…って、わざと聞いたんでしょ!』
「ご名答。」
はるが、まさか施設にいたとは知らなかった…
『で、もみじの里がどうしたって言うの?』
「ああ、実はもみじの里が廃園の危機にさらされていてね…」
『はぁ?何言ってんの?』
「どういうことだ」
『そうよ、どういうことよ』
「うん、実はね…あそこ、借地なんだよね…」
『えーっ!私、この前のクリスマス会に行ったばかりなんだけど…園長先生とかそんなの何も言ってなかったよ』
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