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「…ねぇ。
モニカは、アルの言ってた事本当だと思う?」
「そう、ですね…
本当だと思います」
本気でルシーを心配して、本気で再会を喜んだ。
嘘なんかつくはずがない。
けど、とモニカが呟く。
「覚えて、ないんです」
捕まって、売り飛ばされて、戦闘用奴隷にされた時。
記憶や感情は不要だと、徹底的にマインドコントロールされた。
今でも昔の事を思い出そうとすると頭が痛くなる。
全身が震えて、怖くなる。
両親との思い出は、そんな中たった一つだけ守りきった物だった。
嬉しそうに笑ったアルのあの顔を、私は覚えていない。
「…そんな私が本当にチェルシーで、もし村に帰ったとしても…
ただアルフレッドさんを傷つけてしまうだけかもしれません」
それに、私は…
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