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目をつぶったまま、次を待つ。
もう一度油絵の具か?
それとも石膏だろうか。
できれば針金は勘弁して欲しい…
…しかしいつまで経っても「次」が来ない事に気づく。
恐る恐る目を開けて…
「い゙!?」
驚いた。
何故か目の前の男が号泣していた。
ゼクシィならともかく。
「あ、あの…?」
「…うした…」
「え?」
「感動した!
こんなに感動したのは初めてだよ、俺!!
愛…!
それこそ芸術!
何故気づかなかったんだろう!
飾らない姿こそ、最も美しいと!!」
ボロボロと涙を流しながら演説する男。
せっかくの整った顔も涙で台なしだ。
でもなんだか…今の男の方が、輝いているように思う。
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