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「君達!
お願いがあるんだ!」
「お願い!?」
まさかまた無理難題を――
「君達の似顔絵を描かせて欲しい!
今のこの気持ちを、強く心に刻み付けるために!!」
似顔絵。
ゼクシィと…一緒に。
(…でもゼクシィは嫌だろうな…)
フラれたのに、懲りずに告白した。
告白する方は勇気が必要だが、それは断る方にもだと思う。
申し訳なさ、気まずさ、傷つけてしまう事への思い…
俺はそんな気持ちを、再びゼクシィに強要した。
そう言うと、きっとゼクシィは「私はそんな物、感じませんわ」と答えるだろうけど、それが俺への気遣いだとわかるから。
ゼクシィは決して人前で涙を見せない事ぐらい、わかってるから。
後ろを見る事ができない。
ゼクシィの顔を見る事が…怖い。
ゼクシィを元気づけるどころか、きっとまた傷つけ――
「いいですわよ。
描いて下さる?」
「――え」
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