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振り返る。
ゼクシィが微妙に驚いたようだった。
「な、何?」
「え、あ、いや、その…」
頭がぐるぐるして考えがまとまらない。
そんな俺を見て、ゼクシィが呆れたように小さく笑った。
「…この似顔絵を描いていただいたら、もうこの事件は起きないと思うんですわ。
そうでしょう?」
「もちろん『約束』します!
幸せな方々の似顔絵を描きたいと思います!
なんなら女神『シエラレア』に誓ってもいいですよ!!」
「ですから早くなさい、アキラ」
「そっか…
そういう理由で…」
…そうだよな…
「…わかった!
じゃあ着替えてくるから…」
「そのままで来なさい」
「なんで!?」
女装してるんだけど!?
だって、とゼクシィが呟く。
「…不覚にもそのままのあなたの言葉に、ドキッとしてしまったのですから…」
「え?
ゼクシィ今何か言っ…」
「いいから早く!」
「は、はいっ!!」
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