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「…ルシー?」
「え?」
それは、買い出しをしている時だった。
モニカが振り返る。
それにつられて、俺も後ろを見た。
道の真ん中で、こちらを見つめたまま立ち尽くす少年。
その目はまるで、「信じられない物を見た」という風に見開かれていた。
「ルシー…だよな…?」
確認するかのように少年が繰り返す。
「ルシーって…」
モニカが尋ねた瞬間、少年はモニカを抱きしめていた。
「きゃ…っ!?」
驚いたモニカが、手に持っていた果物を落とした。
それにも気づかず、モニカを力いっぱい抱きしめたまま少年が笑う。
「ルシー!嘘だろ!?
また会えるなんて!!」
「あ、あの…!?」
「そうだ、なんでこんな所…にっ!?」
喜んでいる所悪いが、モニカが困っていたので服のえりを掴んで引っぺがす。
少年は思ったより軽くて、案外簡単に離れた。
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