モニカの幸せ

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「ヨシュアさん…」 モニカがほっとしたように胸を撫で下ろす。 一方の少年は宙ぶらりんなのが気にくわないらしく、バタバタと暴れていた。 いや、気にくわないのは引きはがされた事、か。 「な、何すんだよ! 誰だよお前!」 「…モニカ、知り合いか?」 「あ…ご、ごめんなさい。 それが、よくわからないんです…」 「知り合いに決まって… …って、モニカ?」 少年が暴れるのを止め、モニカを見つめた。 モニカが申し訳なさそうに頷く。 「は、はい。私、モニカです。 ルシーって人じゃ…」 「っそんなはず…! だって、俺が見間違う訳…!!」 否定して、けれど少年が肩を落とした。 そして小さく「…ごめん」と謝る。 「…そうだよな。そんなはずない… だってルシーはあの日、死んだはずなんだから…」 俺とモニカは顔を見合わせた。 なんだか訳ありらしい。 「…あ、あのっ」 モニカが俯く少年の顔を覗き込んだ。 「よかったら話を聞かせてくれませんか? 力になれるかもしれません」 「そうだな」 少年がモニカを見、そして俺を見上げた。 そんな少年に告げる。 「…俺達は『SBS-O』。 人助けギルドだ」  
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