モニカの幸せ

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「ふんふん、なるほどねぇ~」 アーヴァント邸の2階、居間にあるソファーにもたれながらシエルが頷いた。 「モニカがその『ルシー』って子に似てたんだ」 シエルの正面に座っている少年が、ひざの上で強く手をにぎりしめながら頷いた。 「あなた、名前は?」 「…アルフレッド」 「アルね、わかったわ」 こいつ、名前が長いからっていきなり縮めやがった。 アーヴァントがアルの前にお茶を置く。 ぺこりと会釈してから、アルはお茶に口をつけた。 アルは親方の下で運送業をやっているらしい。 今日王都に来たのはたまたまで、荷物の積み込み作業が終わり次第出発するという。 「…アル…アルフレッド…」 シエルの横に座り呟いていたモニカが、「あの」と呼びかける。 「ルシーって子の事、聞いてもいいですか」 「…ああ」  
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