モニカの幸せ

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「…あの」 小さな声が響く。 手をきつく握りながら、モニカがアルを見つめた。 「…その、『ルシー』って名前は…」 「ああ…よくわかったな。 ルシーは愛称。 あいつの本当の名前は、チェルシー」 「っ…!」 「チェルシーって、言うんだ」 ――それは、春に小さなピンク色の花を咲かせる花の名前。 アーヴァントがモニカの名前の由来にした花だった―― 「…わた…し…」 モニカが虚ろに呟く。 明らかに衝撃を受けていた。 それを見ていたアーヴァントが、真剣な表情でアルに向き直る。 「…アルフレッド、って言ったっけ」 「そう、だけど」 そして。 「…そのチェルシーって子、多分モニカだ」 「「!!」」 「あ、アーヴァントさん!!」  
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