~いつもの朝~

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♪~~♪♪~~~~♪♪♪ 俺の一日は携帯のアラーム(着メロ)で起きる事から始まる 朝が来たということに対してけだるさを感じながらも、身を起こす 「ふぁぁ………眠ぃ」 煩いアラームを止め、冬の寒さに身を凍えさせつつも制服に着替え始めた 俺の一日は、毎日ほとんど一緒である 行動も、その行動を起こす時間も、その行動を終える時間も… なぜかというと、楽だからだ いつも同じ時間に同じ事をしておけば、イレギュラーが発生しない限り、特に考える事もなく行動を起こすだけでいい そんな同じような日々を送る中で、俺は朝だけは出来るだけ早い行動を心がけていた なぜなら、自分の通っている学校──求健裏高校<きゅうけんうらこうこう>──が遠いから 遠いと言っても、大体自転車で45分ぐらいで着く訳なのだが 嫌いな親が仕事で長い間いないから、高校になってゆっくりできるなと思ったら、このザマである ちなみになぜ親が嫌いかというと、一つ目の理由としては、いつも子供扱いをされているからだ 「いい子だから少し静かにしてような」とか、そんな感じで窘められたりする この歳──ちなみに15歳だが──になってもそんな扱いだから当然の如くイライラした 二つ目の理由は、俺にあまり一般的ではない名前をつけたから 名字は「村上」で、至ってシンプルだが、名前が「零」というので非常におかしい そして苗字と名前を合わせてしまうと、「村上 零<むらかみれい>」となるから更におかしく、まるでバランスが悪い 三つ目の理由は──俺のただの個人的な価値観からから言うことだが──職業柄が嫌いだ 父母共に研究者で、生物の研究をしている ただでさえ研究者というだけで、俺はその者に暗鬱な印象を持つのに、生物研究者というから、不気味さが加わり……なおさらだ これもまた個人的な価値観ではあるけど まぁまとめると、俺に変な名前をつけて、子供扱いをする生物研究者の親が嫌いなのだ
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