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「………………はぁ」
何度目の溜め息なのだろうか…?
気づけば溜め息ばっかりついていた
「零…………あれはあなたのせいじゃ…」
「だけど………俺が死ねば………郁矢はっ!!」
美羽が話しかけてきて励まそうとしてくれてるが、多分今の俺には逆効果だ
自分が何でここにいるのかわからない
「そんなことないわ!!そんな………悲しいこと、お願いだから言わないで……」
今にも泣きそうな美羽の顔にはっとする
「悪い………ゴメンな」
「謝らないで!!………お願いだからぁ……!」
今度ははっきりと泣いていた
オレは…………なにをやっているのだろう
友人を殺させ、泣かせる
本当……、なにやってんだろうなぁ
自分の頬を思いっきり張った
びくっとして美羽はオレを見上げる
「本当に……悪い。絶対言わないから…死なないから。」
だから泣くのはやめてくれ
美羽が頷き沈黙………
ただひたすらに
……………沈黙
すると急に美羽が口を開く
「千の傷……一応大丈夫みたいよ」
俺は頷くと、美羽は千の方へ行った
郁矢が死んで悲しむ人がいるように、俺が死んでも悲しむ人もいる……
考え方を改めないとな
心配するな………美羽
俺は……死なない
お前達がいるから
「おい……」
俺が下を向いてると声をかけてくるやつがいた
この声は………樹か?
「……なんだ?絡むなら後で頼む」
「そんなんじゃねぇよ…!!じゃなくってだな……その、さっきは悪かった」
樹が頭を下げる
「いや、別に良いさ………あのままでもきっと解決しなかった」
それはきっと本当の事だと自分でも分かる
むしろ感謝するべきなのかもしれない
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