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学校に着くと、やることが無いオレは教室で携帯を弄っていた
すると急に声をかけられる
「零君っ」
そんな声が聞こえて振り返って見ると、そこにいたのはショートカットの女子──ではなく、女子っぽい男子が立っていた
小顔で童顔という外見、更に華奢な体格なため中性的に──むしろ女子に見えてしまうが実は男子なコイツは、坂下 一<さかしたはじめ>
「おう,一。はよっす!」
とりあえず手を軽く上げて、恒例の挨拶をしとく
「はい。おはようございます」
一がニコッと笑いながら、軽く会釈をする
またコレか……
一は何故かしらないが、同級生に敬語を使うのである
態度も同級生に向けているものとは、とてもではないが思えない
どうにかするべきか……と俺は悩んだ
「むぅ………」
「どうかしましたか?零君」
不思議そうに俺の顔を覗き込む
「いや、やっぱり敬語なのか……と思ってさ」
苦笑いしながら一に告げると、一も困ったような顔をした
「はい……僕はこの喋り方じゃないと、しっくり来ないんですよ。………すみません」
ペコリと頭を下げる
まぁ、強要は良くないか………
「いや、謝らくてもいいんだけどな」
ちなみに、こんなやりとりも一週間に一回はやってる
この高校に入学してから今までの、約2ヶ月の付き合いだが、やはり一の敬語には慣れないのが現状だ
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