記憶を失った日
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山のような錠剤を両手ですくいながら飲み込んだ。 何度繰り返しても山は減らなかった。 それだけの量。 私から「死ぬから」とメールを受けた友達が必死な声で電話をしてきた。 「絶対に死んじゃ嫌だよ」 涙ながらの訴えを聞いて私も泣いた。 でももう身体に力が入らない。 私はそのまま眠りに就いた。 …それが私の持っている、「わたし」自身だと認識できる唯一の記憶だった。
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