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「───で、結局何する?」
再び橘の部屋に戻ってきての第一声はそれだった。
「やることないねー」
「そだねー」
俺の質問に藍羅と委員長の能天気組は実に能天気なことを言う。
お前らも少しは考えろよ。
「っつかあんたたち何しにここに来たのよ」
『さぁ?』
「………っ。あんたたち…私が昨日どれだけ苦労したと思ってのよ…っ」
「お、落ち着け! その矛先を俺に向けるんじゃない!」
「大体ねぇ…あんたたちが昨日いきなり来るなんて言うから急いで部屋の掃除やら何やら準備したってのに…何も考えてきてないってどういうことよっ!」
「だからなぜ矛先が俺に向いて────」
「うっさい! あの世で反省してろ────っ!!」
「ぐぼはぁっ!」
俺は見事に橘の部屋の窓から外にぶっ飛ばされた。
そりゃぁもう豪快に。
そして飛ばされた先は先ほどの道場だった。
「また会ったな」
「……そうっすね…」
「とりあえず、あんな娘だが仲良くしてやってくれ」
「………………はい」
地面に埋まりそうなくらいの勢いのまま落下したその隣には、剛健さんが胡座をかいてお茶を啜っていた。
ところどころにあるあざは長年道場を守り続けた栄冠の傷だと信じたい。
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