そのいちっ! 俺の自由を返せぇぇぇえっ!!      BY蒼井幸人

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「よし、ここらで俺も乱入といきますか…」 隣の剛健さんが肩を回しながらそう言った。 そして、 「飛鳥ぁぁああ、好きだぁぁああっ!!」 剛健さんは叫びながら橘の方へ走っていった。 しかし、次に起こったのは一瞬の出来事だった。 橘は竹刀を放り投げ、代わりに袴の裾から木刀を出す。 そしてその木刀を音もなく振りかぶり… 「くたばりなさいっ、このへんたぁああいっ!!」 「ぐはぁぁああっ!!」 剛健さんを滅多斬りにした! その間約コンマ一秒。 刹那的とはこの事である。 「………ふぅ」 その光景に思わず俺たちは拍手をしてしまう。 「ん? 来てたんだ、あんたたち」 この子がさっきから言っている橘飛鳥(タチバナアスカ)。 白金の輝く長めのポニーテールと、鋭い赤目が特徴の女の子だ。 「うん。ついさっきね」 「そうなの」 「それよりもさ、橘。剛健さん…大丈夫なのか、これ…」 近寄ってみると、白目剥いてピクピクと痙攣していた。 「大丈夫よ。いつものことだから」 橘は木刀をしまって、そう言った。 「さ、行きましょ? 今日は家で遊ぶんでしょ?」 「あ、あぁ…」 橘に促されるまま、俺たちはその後ろをついていった。
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