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また長い廊下を歩いた。
にしても、この家ホントにでかいな。
「ここで待ってて。私ちょっと着替えてくるから」
案内されたのはひとつの部屋。
ぬいぐるみやら机やらベッドやら置かれているとこを見ると、ここが橘の部屋なんだろう。
…意外と普通なんだな。
「ほぇー…あーちゃんこういうぬいぐるみとかが好きなんだー」
「何かないかなー…何かないかなー」
「あ…この本…」
…………。
上から、藍羅、委員長、梨沙である。
お前ら…少しは大人しくしろよ。
特に委員長。お前はただ部屋を漁ってるだけだろ。
ま、いいか。
俺は適当に床に腰かけた。
コンコン。
と、そこで軽くノックが聞こえてきた。
ガチャと、扉が開き中に入ってきたのは、
「飲み物とお茶菓子です。よかったら食べてください」
艶やかな黒髪のとても綺麗な人だった。
えと…誰ですか?
「あ、紹介が遅れましたね。私は飛鳥の母、橘紗鳥(タチバナサトリ)と言います。今後ともよろしくお願いします」
そう言って、その人はにっこりと笑った。
そして…
『えぇぇぇぇ!? お母さん!?』
俺たちは絶叫した。
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