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「・・・できた。」
池田 奈央(イケダナオ)はまだシュンシュンと蒸気があがる 鍋の中を覗き
満足げに 笑った。
「できたんすかっ? 本当に・・・」
疑わしそうに 鍋と奈央を交互に見やる 乾 順平(イヌイジュンペイ)
「うん 完璧だ さっそく試してみる? ジュン」
肌研の後輩の順平はブルンブルンと即刻首を振り 拒否る。
「な~に~? 大丈夫だって あたしが 完璧って言ってるんだから。」
私は出来たばかりの完成品をスポイトで吸い取り
順平の前に差し出す。
「ほら 早く 脱ぎなさい。ジュン」
とたんにブルブルっと順平は震えだし
情けない声を出した
「奈央さ~ん 勘弁してくださいよ・・・
アルバイトまた募りましょうよ~」
「だって バイト料払うの勿体無いでしょ?
あんたツルツルで悩んでるんだから ちょうどいいじゃない。」
私は順平の白衣を掴み捲り上げる。
「な 奈央さん! ちょっと待って!
先週の試作品だって 俺で試して とんでもないことになっちゃったでしょ?
まず せめて マウスで試しましょうよ。」
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