二宮龍平

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綺麗な封筒の中には、短いメモが入っていた。 ━━━━━━━━━━━━━━ 待つのは今日までだ ついてくるのも、こないのもお前次第 そのままでいるか、人生を俺に託すか決めろ ━━━━━━━━━━━━━━ 脅しにさえ聞こえてきそうな内容。 誰が書いたのかは、一目瞭然だった。 あいつ、俺の家まで知っているのか。不気味な野郎だ。 俺は封筒にメモを戻し、家の中に入った。 寝込んでいる母ちゃんの前に座り込む。 「帰ってきたのかい?龍平」 母ちゃんは弱々しい声を出し、首だけを横に動かして俺の方を見てきた。 「ああ。体は大丈夫か?」 毎日、帰ってきたら必ず訊く言葉。大丈夫なはずがないのに、母ちゃんは必ず大丈夫と答えてくれる。 また果てしない看病生活の中で、その言葉だけが俺の支えになっていた。 「何かあったのかい?」
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