2 残された弟

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家に帰ると、まだ紗弥加たちは来ていなかったけど、兄貴は帰宅していた。 「おかえり、一応風呂沸かしてるけど、入るか?」 「サンキュ。」 兄貴の仕事は終わるのが早くて、たいがいオレが帰る頃には、家にいて風呂を沸かしてくれていた。現場仕事で結構よごれるから、仕事後の風呂は最高に気持ちがいい。  学生時代は夜寝る前に風呂に入っていたのに、今は仕事後風呂に入ってからじゃないと、外出すれできないくらい、埃まみれになっちまう。  兄貴の優しさでポカポカと暖かい風呂に入ってリラックスしてから、風呂をあがると、紗弥加と静香の声が聞こえて来た。 「きゃっ!」 フロ上がりのオレのナイスなバディに目をそむけながら小さな叫びをあげたのは静香だけで、紗弥加はチラリとこっちを見ながら・・・。 「さっさと服を着なさい服を!一応あんたも男ならこんな美女が二人もいるんだから気を使うべきよ。」 おいおいおいっっ! 普通見られたオレの方が騒ぐんじゃねーの?! 「誰がレディなんだよ?どこにいるの?」 「うわっ、もしかして老眼?ここにきっちりいるじゃん。」 見事なまでに茶髪にブリーチされたセミロングで前髪なんかすだれまでご丁寧にスプレーされてる女ならいるけど、レディなんてどこにもいやしない。 「お前高校生なんだから、もっと落ち着けよ。いつまでもヤンキーな髪型しないでさ。」 静香なんか、兄貴とつき合いだしてから、コロッとイメチェンして、なんか神戸嬢って感じに収まっている。 「ダサァ~~~、ヤンキーだって!! 今時ヤンキーなんて言わないよ、私はコギャルなの! 見てよエルロバッグを片がけして、登校してるんだからね。」 コギャルとヤンキーの違いってどこなんだろう? よくわかんねぇや。
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