2 残された弟

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何回かしたけど、その全部が兄貴にばれて、かなり殴られたっけ? 「あら、シンナーは体に悪いけど、エンコーはゴムさえつけてれば病気が写される訳でも、妊娠するわけでもないから平気だよ。私はしてないけど、ガッコの友達は結構してるよ。」そういう問題なのか? 何か、ずれてないのか? 別にモラルとか法律とか、くだんねぇ事を並べるつもりはないけど、やっぱ好きでもない男と寝るなんて・・・。 オレは紗弥加のこの話題に対する反応を見たくて、視線を投げた。 気だるそうに髪をかき上げながら、紗弥加は口を開いた。 「どうでもいいんじゃねぇの?友達なんて。 人それぞれ考えがあるだろうし、アホな子も多いけど、バカな大人も多いからさ。 でも、自分のツレにそんなアホな女はいらねぇよ。」 どうでもいいと言いながら、かなりむかついてるのがわかる。  言葉使いが悪くなってる。 「オレも紗弥加に賛成。美奈がエンコーしたらオレはお前を殴るかもしれない。」 兄貴も紗弥加に続いて、少し低い声でそう言った。 兄貴の声が低くなる時は、たいていキレてる時だったから、みんなビビッてしまった。 「・・・そだね。エンコーって流行ってるけど、仲間がそんなことしたらいやだな。」 静香は常に兄貴の意見にうなずいている。 そりゃ、今回の話は兄貴が正しいけど、いつもいつも兄貴のいいなりでつまんなくないのかな? 自分の意見がないんだろうか? 「そう言えば、友則と俊二は?」 自分の話題がいやだったのか、美奈が突然話を切り出した。 「俊二はまだ仕事じゃない?昨日、雨が降ってたから。」 静香がそう言った。 俊二とオレは受験失敗して、働いていた。 だけど、俊二は公務員の下水で働いている、かなり安定した仕事先でうらやましく思ったくらいだ。 「じゃあ、友則は?」 「さぁ、最近アイツあんまり来ないぜ。 ガッコのツレとナンパでもしてるんじゃないの?三宮のパイヤマ辺りで。」 ・・・・。 中学を卒業して間もないころは、みんな遅れても集合していたのに、最近じゃ全員が集まる事の方が少ない。
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