2 残された弟

6/7
前へ
/62ページ
次へ
 オレと同じ事を考えていたのか、紗弥加が一つの提案をした。 「今週の土曜日にみんなで飲み会でもしよっか!理由はなんでもいいじゃん。例えば私と静香の修旅言ってらっしゃい会とかさ。」 「いいね。」 「賛成!」 それぞれに、みんなうなずいた。 が、しか~し、紗弥加が提案したのは、みんなで集まりたいだけが理由じゃなかった。 何でかって言うと・・・・その後にまだ続きがあるから。 「確か友則って武庫川にある男子校だったよね?アソコの男ってコンパ受けいいのよねぇ。」 コンパだぁ? 「あん、紗弥加ってばコンパのつなぎを付けるつもりなんでしょ?ずるぅい、私も誘ってね。」 美奈は顔を膨らませて拗ねたフリをしながら、上目使いでおねだりをしていた。 拗ねたいのはオレの方だよ・・・まったく。 「じゃあ、話も決まった所で、そろそろ帰るわね。明日もガッコがあるから。」 紗弥加の一言で、みんなはそれぞれ帰り支度をしだした。 静香は兄貴がバイクで送るのがいつものおきまりで、近所に住んでる紗弥加や美奈は二人で仲良く家をでた。 今まで騒がしかった部屋が、糾に静まり帰って、オレは一人取り残されたような寂しさに襲われた。 だけど、ものの20分もしないうちに、静香を送り届けた兄貴が帰ってきた。 「お帰り、兄貴も明日早いんだろ? もう寝る?」 「ああ、静香にベル打ってから寝るよ。」 さっきまで一緒にいたくせに、ご丁寧に毎晩のおやすみベル。 時計に目をやると、針が夜中の1時をしめしている。 今から寝ても朝の6時には起きて仕事なんだから、兄貴も大変だよな。 オレもさっさと寝ないと。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加