偶然

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あの男は一体何がほしかったのだろう。 また夜になって部屋の前に警護のためのかがり火がたかれている。 この屋敷には魂呼びの姫である私しかいない。しかしあまりにもその力が異様なものなので一時的に必要だとしても、攫うほど必要なことはない。身分が低く貴族のように対価をだせないものには殆ど無償で魂呼びをやっている。 何故あの男は御所とは比べものにならずとも、警護の厳しいこの屋敷に忍びこんだのだろう。
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