冷春

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秋ちゃんがモデルとして活動をはじめた春、 私は中学生になった。 私の通っていた中学は3つもの小学校が一緒になるので、私のこと (もちろん、幽霊女の呼称とそれに付随する数々の逸話のことであるが) を知っているのは、 単純計算でいえば三分の一になったことになる。 自分で言うのもどうかと思うが、容姿は元々兄妹共にかなり恵まれていたらしく、昔は青っ白く不気味なだけだった私も、この頃には色白で華奢という形容をされるようになった。 生物学的に 男性、特に男の子という生き物は、性格よりなにより見た目を優先するらしく、 つまり、わかりやすく簡潔に言えば、入学してから数ヶ月の間だけ、私はモテた。 この性格で、男の子にモテるということは、 必然的に女の子から敵視されることに繋がった。 そして、告白を受けても 考える間も愛想もなく断り続けた私を、恨んだり、嫌ったりする男の子も少なくはなかった。 それから 上履きやジャージがなくなるのは最早日常茶飯事だったし (それらを持ち帰るようになってからは机や椅子)、酷いときは画鋲やらカッターの刃やら馬鹿馬鹿しいほど古典的だが、怪我を伴うような危ない嫌がらせをされたこともあった。 結局、小学校の頃とはまた違った意味で、私は孤立した。
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