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秋ちゃんはというと、
スカウトマンの目に狂いはなかったらしく、
最初こそ小さな雑誌のモデルだったが、
その端整な容姿と性格、特に生い立ちの異質さから瞬く間に人気が上がり、
しばらくすると、高い演技力を買われ、俳優に転身、
今ではドラマや映画、バラエティーに引っ張り凧の人気実力派俳優という地位にまでなってしまった。
スターダムを駆け上がるとはまさにこのことを言うのだろう。
もちろんそれに見合った努力を秋ちゃんが怠らなかった、というのは覚えておいて欲しいところだ。
あの人は、良くも悪くも何事にも手を抜かない性分なのだ。
生活は比べものにならないほど楽になったし、
秋ちゃんの人気に比例するように、私への嫌がらせは収束、
それどころか何とか仲良くなろうと、
私を散々毛嫌っていた女の子達から声をかけられることが格段に多くなった。
手の平を返す、という言葉をこれほど身に染みる程体感するとは思わなかった。
何て簡単に態度を変えるんだ、と
呆れるとともに感心をしたものだ。
そして私は今、高校二年生。
今年で17、
秋ちゃんは、大検に合格し、学生と俳優を両立する目の回るような忙しい四年間のすえ見事卒業…、
今年で25歳。
今日も、相変わらず忙しく働いている。
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