序章.伝道師はかく語りき

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僕は、この馬鹿のせいでこの人から怒られるんじゃないだろうかと思いました。 だけど、その人は僕らを見ると、こう言いました。 「君達、勇者のこと好きなんだ?」 意外に若い声でした。 「おまえなぁ、勇者“様”だろ!?」 シェイド君、君の勇者崇拝思考を人に押し付けたら駄目だよ。 君みたいな馬鹿は早く滅亡してほしいんだから。 「あぁ、ごめん。勇者“様”ね」 と、この人はどうやら優しい人のようです。 声は苦笑まじりでしたが、ちゃんとこの馬鹿に合わせてくれています。 ……大人だ。 「君達、小学院の生徒?」 その人が言います。 これには僕が返答しました。 「すいません、基本そういうことは他言しない主義ですから」 「うーん……そう言われても大体制服で判るんだけど……」 そうでした。 僕らが通う小学院は制服制があったんでした。
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