序章.伝道師はかく語りき

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「小学院の生徒なら、勇者“様”のことは習った?」 この人はそう言いました。 「まだ習ってねーよ」 と、馬鹿。 「けど、この国じゃ常識だろ」 そんな常識、滅びればいいのに。 「そうなんだ」 この人は、立っているのに疲れたのか、地面に腰掛けました。 「じゃあ、勇者“様”ってつい最近の人だって、知ってた?」 「え、マジで!?」 シェイド君が食い付きます。 「俺はね、人が知らないような勇者“様”の話を色々な土地の人に伝えてるんだ」 その人は言いました。 「ただ君達のイメージとは、かなりかけ離れているけど」 「えー、そんなわけないだろ」 勇者馬鹿は、あくまでも勇者を崇拝したいみたいです。
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