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いつもよりずいぶんと密度の低い歩道。
駅からほとんど真っ直ぐなその道を私は走る。
「なんだって今日……💢」
昨日は最悪だった。
授業中に居眠りするくらいなら最初から進学校なんか入らない。
彼女にフラれたかなんだか知らないが八つ当たりしないで欲しい。
……メガネめ!
頭痛くらい、なんて思わないで素直に保健室に行けば良かった。
……メガネめ!
クラスメートも重箱の隅をつつくような眼で人を見る。
……メガネ共め!!
空を見上げると鳥が飛んでいる。
あいにく動物図鑑なんて見たことないので名前は知らないが、結構大きいみたいだ。
(見てれば良かったかなぁ)
……もういいや。
歩いていこう。
と。
何かが落ちてきた。
フワフワと。
ヒラヒラと。
風に流されながら私の手のひらに収まったそれは
一片の羽根。
真っ白な、真っ白な羽根。
「あぁ~…若いなぁ…」
溜息まじりの声に振り向くと若いサラリーマンがいた。
「ヤダって言ったのに……」
愚痴りながら近づいてくるサラリーマン。
「で?」
「は?」
何を聞かれたのかすら分からない。
「は?って?」
「え?」
何が聞きたいんだろう?っていうか、ダレだろう?
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