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「トニ!」
「!」
俺の元へ駆け寄る金髪の少女
こんなにちっこいのに俺より大人びていて戦闘にも長け何より可愛らしい彼女
たまに俺を子供扱いしてイラつく時もあった…が、嫌いにはなれなかった。
いや、これは好きなのだろう。
「んだよ、こっちは忙しいんだ…」
「またバイトー?って、目の下にくまが出来てる…バイトのし過ぎなんじゃない?」
こうやって細かいとこにも気づいてくれ、心配してくれるところにも惹かれたのだろう、心配そうな瞳で俺を見てやがる…
正直、好きな女に心配されるのは結構嬉しい。
「ちょっと、聞いてるー?」
「聞いてるよ…」
「本当かな…バイトは少し休んだ方が良いよ?」
ダメだ、それじゃ間に合わない
俺は決して首を縦に振らなかった。
「大丈夫だって…んじゃ、俺はお前と違って忙しいからな…もう行くぜ」
「あ…」
素直にお前の為だなんて言えない
だから時折思ってもないことで、相手を罵倒する。
本当は素直になりてぇんだ
お前にいつか、好きって言えるように…。
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