誕生日

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――二 ――ト、ニ 「トニ」 目を開ければそこには愛しい人が居た。 「……どう、して…」 額にアイツの手が触れる ひんやりしてて…すっげぇ気持ちいい そう、これは夢じゃない。 「ッ…俺…何で寝て…!?」 バイトしねぇと間に合わねぇってのに…ッ 瞳を見開き直ぐ様起きる俺に、彼女は腕を掴み動きを止める。 「ッ…何す…!」 俺の腕を掴む彼女の手に、力が籠もる。 「もういいよ…倒れるくらいなら」 情けねぇ… 本当に情けねぇ……。 ほんの一瞬の時間 だけど俺の中では何十分、何時間も経っていた。 やっと出た一言、それが 「ごめん…」 情けないにも程がある。 彼女はその言葉を聞くと、ゆっくりと俺を抱きしめた。 .
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