第二章:異変

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青白い蛍光灯の光が部屋を照らし出した。 いつもとなんら変わらない自室に安堵するも、それは景観という観点からしか言えるものではなかった。 なぜなら、相変わらず砂嵐のような雑音が鳴っているからだ。 それは自分の頭の中から響いているようにも感じたが、どうにも偏頭痛が収まらないので、はっきりと断言することが出来なかった。 喉の乾きが尋常ではなかったので自室から出、階段を降りながら一階のリビングを目指す。 「有り得んぐらい痛いのだけど…生理も来てないのに最悪だ……」 足を引きずりながら独白している私がいる。 おそらく夢なのだろう、俯瞰ではなく主観で脳内再生されているでやけにリアルな感じがするが。 リビングに隣接する台所への扉を開き、食器乾燥機に置かれたコップに水を注ぎ込み、喉を鳴らしてごくごく一気に飲み干した。 「痛みはちょい、引いたみたいやね。つーかこの雑音マジ五月蝿ぇーんだけど何とかならんのかね」 頭痛がマシになりテンションが上がってきたので、これみよがしに話してみる。 久しぶりに聞いた自分の肉声は、女子として通用しうるものであったので、安堵することが出来た。 「折角の素敵な夢だ、誰かに会いに行こうかな。つーかアヤメさんと話した事ないし、ノイズも紛れるだろうし、ちょっくら尋ねてみますかね」 制服ですらない普段着よろしく寝間着姿だが、夢の中であるし問題ないだろう。 電気をつけなければ先が見えない夜中?だが、夢の中であるし問題ないだろう。 私は意気揚々と、手ぶらでアヤメの家まで遊びに行くことにした。 しかし、玄関で靴を履きドアに手をかけたところで、異変が起きた。 ・・・・・・・・・・ ノイズが消えたのだ。
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