第二章:異変

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がばっ!! 粘液のようにびっしょりと寝汗をかきながら、私は目覚まし時計が鳴る前に布団から飛び起きた。 何かとてつもなく恐ろしい夢を見ていた気がする、動悸が激しい。 呼吸が、乱れている。 朝から最悪の気分だ。 これはひょっとして本日学校をサボっても構わないのだろうか。 そんな堕落した考えが浮かぶも、シャワーを浴びて汗を流し、早めの朝食を済ませ、制服を纏い登校準備を行う。 風呂上がり、ドライヤーで髪を乾かしながら、なんとなく、テレビをつけた。 普段は時事や政治に全く関心がないのだが、日の出間際の静寂が、今の私には耐えれなかった。 「本日深夜、十四中市三國駅付近で原因不明の爆発事故が発生し多数の負傷者が―――」 「桜阪府内全域にて児童の失踪が相次ぎ行方不明者が続出―――」 「人気アイドルグループswapの総薙津吉がメンバーを脱退し―――」 ロクでもないニュースしかない。6CHだけに。 仕方ないので、ソファーでもう一眠りすることにした。 次に目覚めた朝日が差し小鳥のさえずりが歌う頃、悪夢の残滓は微塵もなくて。 世界は平和だった。
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