彼の視点。

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 今日も、かわいい。  まぁそれは、彼女の天性的な能力に、うちの高校の制服の可愛さがプラスされたためなのだが。  ちなみに天性的なかわいさって言うのは、顔とか身長とか身長とか身長とか身長とか。  ごめんなさい、調子乗りました。  付き合い始め……つまりは中学生の時は、クラス、イヤ学年、イヤ学校中のみんなから、"ロリコン"とバカにされたモノだ。  別に、ロリータにコンプレックスを抱いているから付き合ったのではない。付き合った相手が、たまたまロリータだっただけの話だ。  それ以上の理由は、存在しない。 「手、繋ぎたい」  不意に右から、聞こえた。  前の方に、手を繋いだ学生のカップルがいたので、きっとそいつらが羨ましくなっただけなのだろう。  雨の中まで、ご苦労な事で。  とりあえず、適当に流す。 「アーホ。右の手で傘持ってんのに、どうやってだよ? 大体、人の目ってもんを気にしろ」  何で、なんだろうなぁ。  意地悪って言うか、イヤそうって、言うか。  オレが言うと、そんな感じになる。  正直、自分でもこれはあんまりよく思っていないのだが、こういう性分なのだから仕方がない。
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