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屋上に着いて、心地よい風が吹いていた。
かめはフェンス越しに風景を見ていた。
『昔からサッカー好きでさ、大きくなったら出来るって思ってたんだ。』
『....。』
『それが出来ないって分かって、すげ-悔しかったんだ。』
『....。』
『先天性の心臓病なんだ。』
『...仁。』
『生まれてから今まであんまりいい思いしてなくてさ。』
『....。』
『ご飯も気を付けて、運動も出来なくてさ。』
『....。』
『いやになるな。』
『...仁??』
『なに??』
そう言うとかめは黙ってこっちに来て、ぎゅっと体を抱き締めてきた。
『かめ??』
『無理しちゃダメだよ。』
『うん、かめもね。』
『我慢とかしちゃだめだからね。』
『わかった。』
『約束して。』
『あぁ。』
俺がそう言うとかめは体を離した。
『もう一つ聞いてもいい??』
『うん。』
『初めて会った日、ここから下を見てたのはサッカーしてる子が居たから??』
『あ-、うん。』
『そっか。』
『うん。』
『じゃあ、そろそろ戻ろっか。』
『おう。』
そう言って、かめと俺は病室に戻った。
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