第2章:病気

6/7
前へ
/103ページ
次へ
次の日。 俺はかめより早く目覚めた。 俺は着替えを済ませ、ベッドから出た。 『仁、どっか行くの??』 『あ、かめ。』 『ん??』 『かめには言ってなかったもんな。』 『なにが??』 『今日、俺の父さんの命日なんだ。』 『え..??』 『そういうことで、夕方には帰るから。』 『あ、うん。』 『じゃあ、な。』 そう言って俺は病室から出て外に出た。 緊急出入り口から外に出れば、そこには父さんの兄妹と中丸がいた。 『中丸も迎えに来てくれたんだ。』 そうおちゃらけた感じで言いながら車に乗り込んだ。 『当たり前だろ。。』 そう言って中丸が俺の隣に座った。 「じゃあ、行くぞ。」 『あぁ。』 車は発進した。 しばらく経って車は墓に着いた。 みんなで手を合わせ、お参りをし、今は墓の手入れをしている。 叔父さんと叔母さんは先に車に戻っていった。 きっと、俺に気を使ってくれたんだろう。 『父さん、久しぶり。』 俺は墓石を触りながら話した。 『病院で仲良くなったやつが居るんだ。』 『...。』 『そいつさ、母さんと一緒なんだ。』 『...。』 『俺にとって、大事な人なんだ。』 『...。』 『俺はそいつのこと守れるのかなぁ。』 俺は立ち上がり、その時に中丸が口を開いた。 『なぁ、赤西。』 『んあ??』 『叔父さんから聞いた。』 『なにが??』 『発作起こしたんだって??』 『あ-、そのこと。』 『大丈夫なのかよ。』 『大丈夫だけど??』 『昨日なんだろ??』 『そうだね。』 『なんか他人事だな。』 『大したことないから。』 『嘘つき。』 『はぁ??』 『人のこと守る前に自分のことを守れ。』 『...。』 『まぁ、いいや。』 そう言って中丸が車に戻っていった。 その後を俺は追って車に戻った。 車が発進して、昼飯を食べて今は病院に向かっている。 『...中丸。』 『ん??』 『カバンから薬取って。』 そう言うと中丸はカバンから薬を出して、水と一緒に渡してくれた。 『ありがと。』 薬を受け取り飲んだ。 『なぁ、病院着いたら起こして。』 『了解。』 中丸の返事を聞いて数分後、俺は眠りについた。 『...し...赤西。』 中丸の声が聞こえ、目を開けた。 『着いた??』 『あぁ。』 『そっか、じゃあな。』 『無理すんなよ、絶対に。』 『分かってる。』 そう言って俺は車から出て病室へと向かった。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

363人が本棚に入れています
本棚に追加