第7章:明日

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病室に入って、仁のそばに行った。 仁は眠っていた。 でも、涙の跡が残っていた。 しばらく見つめていると、仁の目が開いた。 『..ん..。』 『...仁。』 『...かめ。』 そう言って仁は、起き上がり俺の体を引き寄せた。 俺は仁に抱きつく形になった。 それと同時に僕の服が濡れる感覚に気付いた。 『...仁、泣いてるの??』 『...ごめん、な。』 『...仁。』 『...ごめん。』 僕はそっと体を離した。 『...仁。』 そっと仁の涙を拭いた。 『カッコ悪いから顔は見ないで。』 『もう、仁は。』 そう言って僕は仁を抱き締めた。 仁は背中に手を回した。 『泣いてもいいよ。』 『...。』 『僕が仁の全てを受け止めてあげる。』 『...かめ。』 『だから、泣いてもいいよ。 ずっとそばにいるから。』 僕がそう言うと、仁の泣き声が聞こえた。 それから仁が泣き止むまでずっと、背中を摩ったり頭を撫でたりした。 しばらくすると、仁は僕から体を離した。 『今、水持ってくるね。』 僕は前もって買っておいた水をコップに注いで仁に渡した。 『ありがと。』 『いいえ。』 『あのさ...。』 『中丸から聞いたよ。』 『...。』 『秘密の場所の経緯もね。』 『そう。』 『納得せざるおえないよ。』 『...。』 『...仁。』 『俺は、かめが嫌なら移植受ける。』 『...。』 『かめの為なら、受けるよ。』 『僕は...仁が居てくれれば幸せになれるよ。』 『じゃあ...。』 『でも、それよりも仁が幸せじゃなきゃ、僕も幸せじゃないんだ。』 『...かめ。』 『仁が幸せで後悔しないなら、それでいい。』 『...かめ。』 そう言うと仁はまた、涙を流した。 『仁って意外に泣き虫なんだな。』 『かめが泣かすからだろ。』 『そうですか。』 そう言って仁の涙をまた拭いた。 『かめ、ここ来て。』 そう言って仁は布団をめくり、ポンッと叩いた。 僕は仁の指定どおり、その場所に行った。 布団をかけられ、引き寄せられた。 『ずっと、一緒に居よう。』 『うん。』 しばらくして泣き疲れたのか、仁はいつの間にか寝ていた。 『...絶対、後悔したら駄目だからな。』 そう言って僕は仁の頭を撫で、眠りについた。
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