第8章:日常

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-A side- 夢を見た。 俺とかめは幸せそうに笑っている。 俺が手を伸ばすとかめは消えていなくなる夢。 俺は一人その場に泣き崩れていた。 そこで目が覚めた。 ふいに隣を見れば、かめは居なかった。 荷物は置いてある。 帰っていないんだと分かっていても、心が寂しかった。 『あれ??仁、起きたの??』 『...かめ。』 『どうしたの??』 かめは俺のそばにきて、涙を拭いてくれた。 俺の腰に抱きついた。 かめは俺の頭を何度も撫でてくれた。 『仁、どうしたの??』 『..で..。』 『ん??』 『..嫌わないで。』 『....仁。』 『...お願い。』 『嫌わないよ、絶対に。』 かめの言葉を聞いて、我に返って体を離した。 『...仁??』 『朝からごめんな。』 「俺にも謝ってくれない??」 『居たの??』 『先生、おはようございます。』 「居たよ。 やっぱり、和也クンは礼儀がなってる子だ。」 『どうせ俺は礼儀がなってませんよ。』 「ムキになんなよ。」 『..わかったよ。』 「...答えは出たのか??」 俺はかめを見た。 かめは俺の目に気付き、笑ってくれた。 『...出たよ。』 「その様子だと真剣に話し合ったんだな。」 『当たり前。』 「答えは??」 『...しない。』 「和也クンは、それでいいのか??」 『...はい。』 「二人が納得してるならそれでいい。」 そう言って先生は出ていった。 『....仁。 もう少し一緒に居てあげたいけど、今日は行くとこがあるから一旦帰るね。』 『わかった。』 『用事が終わったら戻ってくるから、おとなしくここで寝ててね。』 『わかった。』 『仁は返事だけいいんだから。』 『ちゃんと、ここで待ってるから。』 『約束だからね。』 『あぁ。』 『あ、中丸が来るって連絡くれたから。』 『わかったよ。』 『じゃあ、行ってくるね。』 『いってらっしゃい。』 そう言うとかめはこっちに手を振った。 それを見て俺も手を振り、見送った。
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