第1章:出会い

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和也と名乗る子に会ってから、もう一週間は経った。 あの日から気が向いた時には屋上に通った。 その中の何回かは、和也と名乗る子に会った。 そして、今日。 部屋が空いたからと看護師さんに言われ、俺は一緒に移動した。 部屋に着くと、向かえのベッドには既に人が居た。 相手もこっちに気付いたみたいでこっちを見ていた。 『あ!!もしかして、仁くん??』 『もしかして、和也くん??』 『やっぱそうだ。』 「和也くんと仁くんは、知り合いなの??」 『屋上でいつもお話してる子なんだ。』 「和也くんがいつも話してくれる子って仁くんだったんだ。」 『今日から一緒だね。』 『うん。』 『やったね。』 「じゃあ、仁くんはあっちのベッドだから。」 そう告げると看護師さんは出ていった。 看護師さんが出ていって、俺はベッドに入った。 『そういえば、仁くんは何歳なの??』 『俺は14歳。』 『そうなんだ。』 『和也くんは??』 『僕は13歳。』 『へぇ-。』 俺がそう告げると和也くんはこっちに来て、椅子に座った。 『なに??』 『くんは付けなくていいよ。』 『え??』 『みんなには"かめ"って呼ばれてるから。』 『かめ??』 『そう。だから、そう呼んで??』 『俺もくんは付けなくていい。仁って呼んで??』 『わかった。』 そう話していると時間はあっという間だった。 昼食も夕食も飽きずに色んな話をした。 ただ、お互いにここにいる理由は話さないままで。 夜、寝るまでずっと他愛もない話をしてお互い眠りについた。 そう、これが俺ら二人の出会いの始まり。
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