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目を開けて、朝になっていたことに気付いた。
あれから、いつの間にか眠っていたんだ。
それからは、ボーッとして空を見たりしていた。
午後になって、ふと人が居るのに気付いた。
横を見ると、上田と中丸がいた。
『やっと起きたか??』
『上田、店は??』
『今日は定休日。』
『中丸は??』
『今日は、休みなんだ。』
『そっか。』
『ってことで、今日は俺らお前の見張り役。』
『中丸と上田が??』
『そう。かめから頼まれたら断れないでしょ。』
『中丸、頼まれたの??』
『そう。旅行行くから、仁のことよろしくって。』
『そっか。』
『それに今日はお客さんも連れてきたし。』
上田がそう言うとドアが開き、聖が入ってきた。
『あ、聖。』
『よお。』
『どうしたんだよ??』
『俺はこれを届けにきただけ。』
そう言うと聖は俺に袋を渡し、帰っていった。
俺はすぐに袋を上田に取られた。
『なんでお前の薬を聖が持ってるんだよ。』
『さぁ??』
『捨てたからだろ??』
中丸が真剣な表情でそう言った。
『中丸??』
『たっちゃんも拾ったことあるだろ??』
『まぁ、あるけど。』
『捨てるの得意だからな、赤西は。』
『...別に。』
『何度も拾ったよ、俺は。』
『それは...。』
『お前のお父さんが亡くなった時も薬捨ててたよな。』
『...。』
上田は袋を俺に押し付けた。
『問い詰めたりしないし、かめにも言わないでおく。』
『....。』
『ただ、ちゃんと飲めよ。』
『...あぁ。』
『俺、帰るわ。』
そう言って上田は帰っていった。
『俺もかめには言わない。』
『かめには??』
『約束は守るものだと思うぞ。』
『ぴぃのこと??』
『ちゃんと、守ってやれよ。
嘘つきは嫌われるからな。』
『あぁ。』
『それにしても、かめも納得したんだな。』
『中丸が教えたんだろ??』
『まぁ、赤西の想いも理解してあげてほしかったし。』
『ありがとな。』
『お前が礼を言うと、気持ち悪いぞ。』
『せっかく礼を言ってやってんのに。』
『天気悪くなるからやめろ。』
『はいはい、わかりました。』
俺らは笑い合った。
『さ、帰るかな。』
『わざわざ、ありがとな。』
『いいえ。』
そう言って中丸も帰っていった。
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