第2章:病気

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-A side- 次の日。 今日は朝から検査で、終わって病室に戻るとかめがトマトと戦っていた。 「和也くん、ちゃんとトマト残さずに食べてね。」 『やだ。』 「まったく。あ、仁くんおかえり。」 やっと俺が戻ってきたのを気付いたみたいで、看護師さんとかめはこっちを見ていた。 『何してんの??』 そう言って俺はかめのベッドの横に立った。 「和也くん、トマト食べないの。」 『だって、不味いじゃん。』 「でも、食べなきゃだめ。」 『いやだね。』 「今回だけで良いから食べて??」 『...ねぇ、仁??』 そう言ってかめは、俺の顔を見た。 『なに??』 『これ食べたら、一緒に庭に散歩行ってくれる??』 『散歩??』 『そう、だめ??』 『分かった、いいよ。』 『じゃあ、今回は食べる。』 そう言って、パクっとトマトを食べた。 数回かじって、水で流し込んでいた。 『よし、行こう。』 そう言ってかめは張り切って病室を出ていった。 『あいつ、俺を置いてった。』 「ありがとうね、仁くん。」 『いや、いいよ。』 「仁くん。」 『ん??』 「散歩は良いけど、分かってるよね??」 『分かってる。』 『じ-ん、早く。』 『分かったって。』 そう言って俺はかめの元に行って、一緒に庭に行った。
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